2011年09月28日

AquaHold式水合わせ法

それではAquaHold式水合わせ法を紹介しよう

【準備】
・エアチューブ(適当な長さ)
・1リットル以上入る計量可能な容器(100円ショップの1リットル計量カップが超便利!)
・キスゴム

あとはバケツと一方コックとキッチンタイマーがあると多少便利

【手段】
・魚を200mlの袋水と一緒に計量容器に入れる
・エアチューブの一端を水槽に多めに入れて反対の口塞いでから半分以上取り出す
・指を離すとサイフォンの原理で水が流れ出る
  ※反対側を口で吸って・・・というやり方はカガクテキによろしくないのでこの方法を推奨
・エアチューブを止め結びで縛り水量を調整する
・水を計量容器にポチャンと落ちるように垂らす(多少の酸素補給効果と水の攪拌効果を狙う)
・(あるなら)キッチンタイマーなどを1時間後にセットする
・10分で100mlを基準とするので1分で10ml垂れるように微調整する
  ※5分もあれば調整できるだろう
・1時間放置プレイ
・エアチューブを塞いで魚を水槽に入れる

【カガクテキ解説】
一般的な水合わせではゼロアワーから10分の間は33.3%の水換えを行なう
つまり10分後に33.3%の水が換わっていても問題ないということだ
また最終的に70.4%の水が換わってから10分後に導入可能である
この方法だと10分後に33.3%の水が換わり(1−200/300)50分後に71.4%の水が換わっている(1−200/700)
温度合わせの時間は不要
理論上温度が水槽と合うのは最後に水槽に入れたときでAquaHold式の場合水合わせに使用する60分が温度合わせ時間となるためだ

【補足】
微調整が激ムズなので一方コックで調整しようとするな
あれは「止める」「出す」の目的で使用したほうがいい

7リットル程度のバケツの中に計量カップを入れておくと「タイマーが壊れた」「うっかりセットし忘れた」ときに溢れても安心

60cm標準水槽ならキスゴム使ってエアチューブの高さを水面から0.5mmにしておくと色々な事故が防げる(0.5mm=60×30×0.4=900mlなので)

可能なら水槽側にエアストーンを挿しておくとヒメツメガエルの腹が挟まって水が流れなくなる等の事故が防げる(体験談)

【実績】
この方法による水合わせで以下の生物を水合わせしているが一匹も落としていない
・ミナミヌマエビ
・ネオンテトラ
・グリーンネオン
・ダイヤモンドヘッドネオンテトラ
・オトシンネグロ
・コリドラスパンダ
・白コリ
・ゴールデンハニードワーフグラミー
・アフリカンランプアイ
・ゴールデンペンシル
・アカヒレ
・ヒメツメガエル
・チェリーバルブ
・クーリーローチ
・ヒドジョウ
・トーマシー
ちなみにこの方法ではない手段(いわゆる通常の手段)で行なったところラスボラエスペイが1ヶ月で半数落ちた・・・
タグ:水合わせ
posted by AquaHold at 14:36| Comment(0) | 日記

カガクテキ水合わせ(概論)

魚を手に入れたら水合わせという作業が待っている
これは魚がPhショックを起こして死なないようにするための作業だ
Phショックというのは魚が住んでいた環境と水槽環境の間のPhの差が大きいと魚が落ちたり弱ったりする現象と考えておけば大体間違いない
水合わせの前の温度合わせは温度差によるPhショック耐性の低下を防ぐためであろう
※自然界では温度が急激に変化することは多々あるが魚が大量死したという話は聞いたことが無いので

水合わせの方法については100人のアクアリストに聞けば10通りくらいは返ってくる程度に色々存在している
そのため一般的な水合わせの方法を書こう

@袋のまま30分ほど水槽に入れて温度を合わせる
A袋の水の1/3を捨てて同量の水槽水を入れて10分放置
B上記Aの作業を30分以上(つまり30分・40分・50分の3回)続けてから水槽に魚を入れる

これはAquaHoldが機材でお世話になっているcharm店の推奨方式だ

そこでまずは上述の一般的な水合わせ方法をカガクテキに分析してみよう

まずは温度だがこれは一方的に袋の温度が変化すると考えてよい
たとえば20リットル水槽の温度が30度で1リットルの袋が20度という極端な状況を考えてみよう
水槽の水と袋の水が均衡になるときの温度は(20×30+1×20)/(20+1)で求まる
これを計算すると約29.5度という数値が求まる
こんな極端な状況でも水槽の温度は0.5度しか変化しない
一般的な状況であれば水槽に与える影響は誤差の範囲と考えて良いだろう
このような状態であれば水の温度変化はビニール袋の持つ熱伝導率に比例して変化すると考えられる
また温度変化も直線的ではなく曲線的に変化する(最初が一番大きく変化し徐々に変化率が下がる)はずだが計算が面倒なので省略
とにかく30分もあれば温度は均衡化すると考えていいのだろう


次に水の状況だ
元もとの水が水合わせによってどう変化するかを数値で示そう
・(温度合わせ30分後)→66.7%(1/3の水換え後2/3残る)
・(温度合わせ40分後)→44.4%(2/3の2/3残るので4/9)
・(温度合わせ50分後)→29.6%(4/9の2/3残るので8/27)
・(温度合わせ60分後)→0%

初めに33.3%変化した後は22.3%→14.8%と緩やかに変化する仕組みになっている
最初のショック後10分のインターバルを取るとはいえ魚にとってはストレスが残るだろうから徐々に変化の量を減らしていると考えれば割と合理的な手段であろう

よって(水質に敏感な一部の魚やエビを除けば)そこそこ安全な手法だ
しかし問題はある
初めの30分はともかくその後は10分おきに魚の様子を見なければならず他の作業ができないのだ
そのため初めにちょっとだけ時間を使って後は放置しておけばOKみたいな水合わせの方法はないだろうか

かといって点滴法(水を1滴ずつ落として数日がかりで水合わせする方法)では時間がかかりすぎる

そこで点滴法と通常の水合わせのいいとこ取りした「AquaHold式水合わせ」を紹介しよう
タグ:水合わせ
posted by AquaHold at 13:51| Comment(0) | 日記

2011年09月16日

魚購入のカガク(ネット店舗編)

今回はネット店舗の話だ
おさらいのために問題点を再度書く
【通販店舗のメリット】
・価格が安い
【通販店舗のデメリット】
・魚の状態がわからない
・相談できない

これらについてはメリットもデメリットもその通りだ

しかしだ
魚の状態がわからない→悪い魚が届かなければ問題ない
相談できない→相談しなくてよいなら問題ない
とも言える

まず悪い魚が届かないという点について考えてみる
ネット店舗についてはインターネット上で情報が幾らでも手に入る
最安値は狙えないにしても楽天などで買うならショップや品の評判を確認することもできるし2ちゃんねるのアクアリウム板に通販ショップスレがあるのでそこを見るという手もある
そこでよほど酷い評判でなければまず安心できるだろう
また別の視点で考えると評判システムがある以上ネット店舗は悪いことができないとも言える
なぜなら明らかに病気の魚を送ってきたり死着しまくりの魚を送ってきたりすれば即ネット上で悪行が記載され客離れを起こし最終的に撤退する羽目にあうからだ(実際どことは書かないが評判が悪すぎたため楽天から撤退せざるを得なかった店もある)

またたとえ10匹買って1週間で5匹死ぬような品質の魚を送るような店で買ったとしてもカガクテキに考えるなら元もとの価格がリアル店舗の半分以下ならリアル店舗より安く買えたことになり「お得な買い物だった」はずだ
もちろん魚が死ぬことによる精神的なショックなどの感情論を否定するつもりはないが初めから全部天寿をまっとうさせなければ!と意気込むよりも1週間後に2割程度死んでも構わないと考えておけば精神的にも楽だ

相談できない点についてもネット店舗を利用する程度にネットを使いこなしていればリアル店舗の店員よりも詳しいアクアリスト達の生情報を幾らでも探し出すことができる
もちろんその中にはオカルト的な情報も多々あるが「波動で水を綺麗にする石」や「化学薬品でない天然成分のみを使用しているから安全(※1)で魚の免疫力を上げて白点病を消滅させる(※2)添加剤」などを販売しているリアル店舗以下ということはないだろう
(※1)「ボツリヌス菌」も「テトロドトキシン」も天然成分で化学薬品ではないが安全ではないし「アカネ色素」は天然色素だが毒性が高いため使用禁止になっている(これ以上書くとカガクテキから科学的になりそうなので書かないが興味のある人は既存添加物と合成添加物の安全性確認の違いについても調べてみるといいだろう)
(※2)口上曰く「人間や魚の健康を損ねるほどの毒素を持つ化学薬品」使っても白点病の完全な消滅はできない

さらに近場にアクアショップが無い場合は自力運搬中の死亡については自己責任となるリアル店舗に対してネット店舗は死着保証しているところが多い点も見逃せない

結局は評判システムが完備され情報が一瞬で世界中に発信できるインターネット時代においてはネット店舗を使用することによるデメリットというのはリアル店舗と比べて遜色無いと言ってよいだろう

ただしこれは現状である
今後大きく変わる可能性は考えられる

将来をカガクテキに予想してみよう

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タグ:魚購入
posted by AquaHold at 15:43| Comment(0) | 日記