そいつの名は黒髭苔
水草や機器に取り付く剛毛
その強靭さたるやミナミヌマエビやオトシンクルスなどの生体兵器など寄せ付けもしない
こいつをどうにかするために数多の手段が講じられた
酢につけて水草ごと駄目にする者あり
黒いカーテンで覆い水草ごと瀕死にする者あり
手で毟り取りアマゾンソードごと駄目にする者あり
しかし人類はついに黒髭苔に打ち勝つ武器を手に入れたのだ!
と大掛かりなことを言ってみたが大した話ではない
ただ実際に黒髭苔を退治するカガクテキ方法(しかも水草などは無事)を編み出したので紹介する
使うのはただ1つ
こいつだ!
まずはアクアセイフを原液のまま器に入れておく
黒髭苔を取りたい水草や機器などを水槽から取り出しアクアセイフを塗る(漬けるでも可)
30秒ほど経ったらカルキ抜きした水でアクアセイフを洗い落とす
何も変わらないぞ?と思うかも知れない
しかし水槽に戻して数分待ってみればわかる
カガク変化で赤くなる姿を!
元々アクアセイフは熱帯魚用品なので毒性の心配は無い
私が実際に使った以下の植物にも影響は出ていない
・アマゾンソード
・ウォーターウィステリア
・ウィローモス(!)
・南米産ウィローモス(!)
アマゾンソードはもちろん写真を見てもらうとわかるがウィローモスにこびりついた黒髭苔だけが赤色に変わりウィローモス自体は無事なのだ
これで黒髭苔のためにウィローモス丸ごと捨てるという悲しい作業も必要なくなる
赤くなった黒髭苔はオトシンやミナミが美味しく頂いてくれるので生体兵器と併用を忘れないように
さてここまでは別に単なる事実の列挙に過ぎない
なんらカガクテキ要素はないことだ
ここからが本番
なぜアクアセイフは黒髭苔に有効なのだろうか?
これをカガクテキに考察してみよう
一番可能性が高いのはアクアセイフが酸性である可能性だろう
なぜなら同じような現象は酢酸に漬けた場合でも発生するからだ
ではそれを調べよう
今回は簡易測定で構わないので同じテトラ社のこいつを使う
まずは水道水を測定してみた
上から「亜硝酸」「硝酸」「カルシウム」「総硬度」「Ph」「塩素」だ
当然ながら硝酸類は含まれておらずカルシウムが若干ある軟水で弱アルカリの塩素入り
どこにでもある水道水だ
この水道水とアクアセイフを1:1で混ぜて測定し直すことでアクアセイフの成分を(大まかに)把握しよう
ナニコレ?
試験紙に無い色に染まってるんだが・・・特にPhは色が抜けてる!
ようするにカルシウムの塊で超硬度を持つ強酸ということか?
若干亜硝酸塩も検出されているようだ
なるほど黒髭苔が即死するわけだ
しかしこんなもん水槽に入れて本当に大丈夫なのか心配になってきた
やはりアクアセイフ漬けにした後はしっかり水で洗い流すのが正解のようだ